【 バルサミコ酢醸造所 Acetaia Pedroni 】

バルサミコ酢の産地はモデナと思われていますが、モデナとレッジョ・エミリアの2箇所で醸造されています。
かつては一部の貴族階級の間で不老長寿の薬として珍重され、暫らくは庶民の口に入ることはありませんでした。
現在は工場で大量生産されるカラメル色素を入れたものが多く出回っていますが、
最低12年の熟成期間後、バルサミコ協会のテストに合格したものだけが協会指定の瓶に詰められ、
伝統的なバルサミコ酢(Aceto Balsamico Tradizionale)となります。
そして25年以上熟成されたものはExtra Vecchioと呼ばれ、100年以上熟成されたものも売られています。

熟成に使用できるのは樫・栗・桜・桑・トネリコ・ネズの5種類の樽に限定されますが、
どの樽をいくつ使うかは生産者にまかされているそうです。
桜の樽は甘みが強く、栗の樽は色が濃縮された感じになるなどの特徴があるため、
使用する樽によって色々な味わいのバルサミコ酢が出来上がるそうです。
 
バルサミコ酢工房2
今回見学したのはモデナにある
Pedroni
1862年に創立されたバルサミコ酢醸造所。
バルサミコ酢工房3
バルサミコを作るのは白ぶどうの
トレッビアーノ種(Trebbiano di Spagna)。
黒ぶどうだと思っていたので意外でした。

まず収穫したぶどうの枝や皮を取り除きます。
その後ぶどうは破砕後に圧搾され、
ぶどうジュース(Mosto:モスト)になります。
 
バルサミコ酢工房4
このジュースを24〜30時間かけて
半分の量になるまで煮つめます。
これをMostoCotto(モストコット)と呼びます。
煮詰める事によりぶどうの糖が自然に
カラメル状になります。
 
バルサミコ酢工房5
ぶどう液の温度が下がったらタンクで除菌し、
左の母なる樽に移し替えます。
バルサミコ酢工房10
毎年1度大きい樽から小さな樽に移し替え、
最低でも12年熟成されます。
樽の上部はバルサミコが呼吸できるように
布で覆われています。
 
バルサミコ酢工房8
移し替える量は1/3だけ


バルサミコ酢工房9
ここでは5つの樽で1set。
色々な組み合わせがありましたが
樫の樽が多かったですね。
バルサミコ酢工房7
貯蔵庫の壁には判りやすく図解したものが貼ってありました。

協会のテストは醸造所名をふせて、味・色・とろみ等がチェックされます。
合格した物だけが協会で瓶詰めされ、登録番号のラベルが張られて醸造元に返されます。
 
バルサミコ酢工房1
Pedroniのラベル。
瓶は協会で決められていますが、
ラベルは生産者毎に異なっています。
バルサミコ酢工房11
モデナの協会認定の瓶。
真中の瓶が1987年から使用している瓶です。
ナント! あのジウジ・アーロのデザイン
レッジョ・エミリアは誰のデザインなのかしら・・
 
バルサミコ酢工房18
真中に並んでいる樽のセットは32年もの。
これは案内してくれたジュセッペさんが生まれた
記念に作られた樽のセット。素敵すぎます!!
バルサミコ酢工房12
ランチは醸造所に隣接しているリストランテで
”バルサミコ酢ずくし”を頂きました。
バルサミコ酢工房17
飲み物はここで作っているランブルスコ。
後ろは瓶のデザインが素敵な発泡水。
 
バルサミコ酢工房13
まずはPrimo Piatto
トルテッリのバルサミコ酢がけ
トルテッリの具はリコッタ。
サッパリしていましたが、ちょっと量が多め
 
バルサミコ酢工房14
Secondo Piatto
盛り合わせ
左のちょっと油多めのフリッタータの
バルサミコ酢がけが超美味!
ランブルスコで煮込んだ鶏肉はとっても柔らか。
 
バルサミコ酢工房15
Dolce
アイスクリームのバルサミコ酢がけ
サッパリしていましたが、私は苦手・・ かな。
お料理に使ったのは全て12年物でした。
バルサミコ酢工房16
ジウジ・アーロデザインのボトルに惹かれて、
案内してくれたジュセッペさんの名前が付いた
25年物を1本購入。75Euroでした。
箱には7歳のジュセッペさんとお父様が映っていたので、
現在のお二人を記念に。