【 パルミジャーノ・レッジャーノ工房 CASEIFICIO COMUNALE CASTELETTESE 】
パルミッジャーノ・レッジャーノはパルマ、レッジョ・エミーリア、モデナ、ボローニャなどの地域で作られるハードタイプのチーズです。
天然の飼料で育てた乳牛から搾乳した牛乳のみを使い、一切の添加物を加えることなく作られます。
最低でも12ヶ月熟成され、鑑定に合格したものだけが”パルミッジャーノ・レッジャーノ”と呼ばれるチーズになるのです。
 
 
パルミジャーノ1
”CASEFICIO”とはチーズを製造している所。
ここでは製造と販売を行っています。
パルミジャーノ2
5箇所の契約農場で朝搾乳されたばかりの
新鮮な牛乳が到着しました。
パルミジャーノ3
毎朝8時半から作業は始まります。
牛にはお休みが無いので、
ここも365日間お休みは無し。
 
パルミジャーノ29
夕方に搾乳した牛乳を奥のステンレス槽に
1晩置き、乳脂肪分を取り除きます。
 
パルミジャーノ9
大釜に昨晩の牛乳400リットルと
今朝搾乳した牛乳700リットルを加え、
機械で攪拌させながら22度まで温めます。
 
パルミジャーノ8
大釜を水蒸気で温める為の機械
パルミジャーノ5
前日の作業で残った乳清
パルミジャーノ11
22度に温まったら前日の作業で残った
乳清を大釜に加えます。
 
パルミジャーノ6
前日の乳清を1日保存しておく機械
パルミジャーノ7
30度になったら仔牛の脊髄で作った
”凝固剤”を大釜に加えます。
 
パルミジャーノ10
そのまま10分近く寝かせます。
パルミジャーノ13
手で表面を触って、軽く指の後がつけばO.K
パルミジャーノ14
”スピーノ”という道具を使って
細かく砕いていきます。
その後また機械で攪拌しながら
55度まで温度を上げます。
 
パルミジャーノ12
手で固まり具合をチェック。
パルミジャーノ15
味見させてもらいましたが、
この時点ですでに甘くて美味しい。
パルミジャーノ16
沈殿するまで30分ぐらい放置
パルミジャーノ30
底に大きなヘラを差込み、
2人がかりで固まりをすくい上げます。
 
パルミジャーノ27
この固まりで100kgはあるそう
パルミジャーノ28
半分にカット
パルミジャーノ31
一つの大釜から2つのパルミジャーノ・レッジャーノ
の固まりが出来ます。
 
パルミジャーノ32
残った乳清はこちらの機械で取り出します。
この乳清から”リコッタ”が作られます。
パルミジャーノ33
布に入った固まりはプラスチックの型に入れます。
 
パルミジャーノ34
重石をしてこのまま1日置いて水分を切ります
パルミジャーノ20
ステンレスのカバーに換え、2,3日置きます。
パルミジャーノ17
カバーが外されると側面にはお馴染みの刻印が
出来ています。
パルミジャーノ18
ステンレスカバーの内側にこのプラスチックを
つけると、Parmigiano-Reggianoという文字と、
製造者の登録番号、生産年月が刻印されます。
 
パルミジャーノ19
天然塩の飽和溶液に22日ほど漬けておきます。
塩分を充分に浸透させるために、
部屋は15度に保たれています。
 
パルミジャーノ21
チーズの身元が判別できるプレートが貼られます
”CFPR”−−チーズ協会
”AIR830”−−協会に登録されたこのチーズの
通し番号
 
パルミジャーノ22
パルミジャーノ・レッジャーノの保管庫
13段X16棚ありました。1個が約30kg。
この倉庫には時価1億円のチーズが眠っています。
パルミジャーノ24
赤白のテープから手前が30ヶ月経過した
出荷可能なもの。
パルミジャーノ23
これは2004年7月に製造されたもの。
真ん中の楕円形の刻印は、
製造後12ヶ月経過した時に鑑定され、
合格したマーク
パルミジャーノ25
ここで販売されていたのは12ヶ月ものと30ヶ月もの。
試食なのにおっきな固まりです。
12ヶ月ものは初めて食べましたが、
フレッシュで美味〜♪
30ヶ月ものはアミノ酸の結晶がたくさんあって、
こちらも美味しかったですよ。
 
パルミジャーノ35
お土産で購入したのは、12ヶ月と30ヶ月を500gづつ。
そして可愛いパルミジャーノ・レッジャーノの粉入れ
 
 
パルミッジャーノ・レッジャーノと名乗れるのは鑑定に合格したものだけですが、
不合格だったチーズは捨てられずに、2つの方法で消費されます。
惜しくも不合格だったものは、周りの皮に複数の平行線が刻まれ、お安く販売されます。
そして一番出来が悪かったチーズは、周りの皮が全部はがされ、ただのチースとして販売されるそうです。

お味が似ているチーズで”グラノ・パダーノ”がありますが、こちらは1日に2回作ることが許され、製造できる地域も広範囲なのだそうです。
パルミッジャーノ・レッジャーノは1日1回しか作ってはいけないため、ここでは1年でも2000個ぐらいしか作れないそうです。
パルミッジャーノ・レッジャーノは出荷する数も制限している為、貴重なチーズになってしまうのですね。
出荷制限がかかるとチーズ工房の人の収入がなくなるため、パルミッジャーノ・レッジャーノを担保にしてお金を貸してくれる専用の銀行があるそうです。
こんなチーズはパルミッジャーノ・レッジャーノだけ。チーズ界の王様なのでしょうか。